活動レポート

活動レポート

2022.11.04

URCFシンポジウム2022の開催報告

 「URCFシンポジウム2022」を超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF)/情報通信研究機構(NICT)主催、総務省後援で開催しました。
 本シンポジウムでは、「リアル・バーチャル融合が切り拓く未来」をテーマに、基調講演、特別講演、パネルディスカッションをオンラインで行いました。今回は特に、実世界のデジタル化とそれらの実世界へのフィードバックが生み出すサイバー・フィジカルな未来社会を展望するとともに、今まさに開発と実装が進められているリアル・バーチャル融合技術の先端動向に関して参加者の理解と議論を深めることを目的にシンポジウムを実施しました。

1.開催日時 2022年9月1日(木)13:00~17:25
2.開催方式 オンライン(ウェビナー)
3.参加者 168名(URCF会員および一般)
4.講演資料 特別講演の一部資料(PDF)はこちらからダウンロードいただけます。
5.概要
(1)最初にURCF会長の廣瀬通孝氏(東京大学名誉教授)より主催者挨拶、田原康生氏(総務省国際戦略局局長)より来賓挨拶を頂きました。


主催者挨拶:廣瀬 通孝 氏
URCF会長/東京大学名誉教授

来賓挨拶:田原 康生 氏
総務省 国際戦略局 局長

 

(2)基調講演では、齋藤精一氏(クリエイティブディレクター/テクニカルディレクター パノラマティクス主宰)より「新しい都市デザインとメタバースの可能性」と題するご講演を頂きました。この中で齋藤氏は、都市デザインはハード、メタバースはソフトであり、愛着・関心を共有する「ファン」が行動の主体となって物理的に隣接していない地域もコミュニティとして連携していく新しい街のあり方をご紹介いただきました。


基調講演:齋藤 精一 氏
クリエイティブディレクター/テクニカルディレクター パノラマティクス主宰

 

(3)次に3件の特別講演が行われました。特別講演1では、(株)竹中工務店の金澤英紀氏・山崎裕昭氏より「建設デジタルプラットフォームの構築と3Dモデルを用いた新しい施工管理」と題して、建設におけるデジタルツイン活用の基盤構築とBIM(Building Information Modeling)を用いた先端的取組みを紹介いただきました。特別講演2では、ソニーPCL㈱の小林大輔氏より「バーチャルプロダクション~バーチャルとリアルが同時に存在する映像制作とは~」と題して、大型LED Wallのバーチャル3D背景とリアルな人・物を連動させて撮影する先進的な映像制作の手法を紹介いただきました。特別講演3では、三須俊枝氏(NHK放送技術研究所)より「ボリュメトリックキャプチャシステム「メタスタジオ」による3次元情報の取得と多様な映像演出」と題して、被写体の3D形状・質感情報・ライトフィールド情報をキャプチャし、多様で斬新な映像表現の実現を目指す取組みを紹介いただきました。


特別講演1:金澤 英紀 氏
(株)竹中工務店 デジタル室
デジタル企画グループ長

特別講演1:山崎 裕昭 氏
(株)竹中工務店 生産本部
生産BIM推進グループ長

特別講演2:小林 大輔 氏
ソニーPCL(株) クリエイティブ部門
ビジュアルソリューションビジネス部 統括部長

特別講演3:三須 俊枝 氏
NHK放送技術研究所 空間表現
メディア研究部 エキスパート

 

(4)パネルディスカッションでは、モデレータの安藤広志氏(URCF/NICT)からコミュニケーション分野でのリアル・バーチャル融合を目指したNICTの3Dアバター構築/再生技術REXRを紹介いただくとともに、パネリストとして登壇した特別講演の講演者4名とともに、「リアル・バーチャル融合技術が生み出す未来の世界」をテーマに議論が行われました。特に、リアル・バーチャル融合における分野横断的な手法や各分野に特有の手法について理解を深めるとともに、今後の発展・普及に向けた課題や将来展望について議論が行われました。最後に、茨木久氏(URCF/NICT)より閉会の挨拶を頂きました。


モデレータ:安藤 広志 氏
URCF企画推進委員長/ NICT上席研究員

閉会挨拶:茨木 久 氏
URCF副会長/ NICT 理事

 

(5)参加者の感想と今後の展開:シンポジウム終了後、参加者に対してアンケートで感想を伺ったところ、「大変参考になった」「参考になった」を合わせると回答者の88%に上り、本シンポジウムが大変好評だったことが分かりました。また参加者からは「バーチャルとリアルの融合による価値創造が進んでいることを実感した」「異なる複数の視点からの考えを聞けて良かった」「今後、異なる業種の技術連携に期待する」等のコメントが寄せられました。今後は、これら皆様からの声を次のURCFシンポジウムの企画やワーキンググループの運営に生かしていきたいと考えています。

(URCF企画推進委員会)